Christmas of Life / Christmas of Life
講評者: ウツミコウスケ
講評日: 2021/01/09
しおん るり様
はじめまして、ウツミコウスケと申します。
ご依頼頂いた作品「Christmas of Life」講評させて頂きます。
■良かった点について
主要キャラクターの男女キャラクターの描き分けや、しかっりとした背景、ロングショットなど
カメラワークも凝っており、全体的に読みやすい漫画になっているところがとても良いです。
テンポの良い掛け合い、コメディタッチで展開されるストーリーの中に温かいメッセージ性があるところもこの作品の素敵なところです。
夜空を見上げるシーン、背景をバックに「かつて生きた命に〜」とモノローグが入るところは秀逸な演出で特にツリーを俯瞰で描いて、キャラクター達が集うラストカットはとても良いです。
■工夫が必要な点について
今回の作品については大まかに3つ。
漫画の基本的な部分となりますが、漫画は左ページからスタートするものとなります。
今回の漫画の1ページ目でタイトルが来ていますが、本来は左ページからなので、1ページ目に主要人物が入ったタイトルページを持って来ると良いです。
タイトルページはとても大切です。
新規の読者はどんな漫画なのかな?とタイトルページを見て判断し、読みむか読まないかを判断するので出来る限り全力でタイトルページを分かりやすく左の1ページ目に持って来ましょう。
2ページ目の右側でタイトルページを出す方法もありますが、この場合は1ページ目のラストのコマで引きが必要になるので、上手く演出しなければいけません。
これから作品を描く際は、どちらの方が効果的かを考えてタイトルページを考えて貰えれば良いですね。
2つ目は、主人公達の登場シーンに工夫が必要です。
読者に、このキャラクターがメインだな!このキャラクターの目線で見ればいいんだな!と印象に残るようにした方が良いです。
キャラクターを立てるということです。「キャラ立て」ですね。
物凄く奥が深いテクニックとなりますが、とてもシンプルに言うと「目立たせる」、印象に残るように魅せることです。
今回の作品では1コマ目に主人公達が描かれていますが、この大きさでは目立っていません。
出来る限り最初のカットは目立つこと、大きく描いてあげて誰が主人公なのかを読者に伝えてください。
私が描いたネームを添付していますので参考にしてみてください。
3つ目はセリフについてです。
キャラクターが喋って会話が通じているセリフは基本的に吹き出しを描いて、閉じ込めましょう。
独白として見える部分が2ページ目の2コマ目から6コマ目まで続きます。
読者には、だれがどんな思いで喋っている台詞なのかを迷わないようにしましょう!
モノローグなら四角で言葉を閉じ込める。
台詞で会話が続いているなら吹き出し。
心で思っている事、本人にしかわからない台詞を描きたい場合は、2ページ目の3コマ目や独白でokです。
「そもそもクリスマスって言われてもね〜」
「やれやれ・・こだわるなぁ〜」は吹き出しにすると読者も迷わず分かりやすいです。
最後に。
タイトルページは一番最後に描くと良いですよ〜!
原稿を仕上げてきて、一番キャラクターが描き慣れてきた状態で描くことのより、
タイトルページのクオリティが上がるので^^
◆総評
私がしおん るり様の作品を講評させて頂くのは今回が初めてとなりますが
第一印象は優しい絵柄であること、キャラクターの「喜怒哀楽」ディフォルメも上手く、演出、カメラワークも凝っていて、明るくメッセージ性のある作品が描ける作家様だという印象です。
今作品の中での男女の掛け合いは、何度読ませて頂いてもテンポが良く、キャラクター同士の掛け合いが上手いので、この部分を伸ばせばもっと幅広いキャラクターを描けるようになると考えます。
わたしが女性作家で上手いと思っているのが「ろびこ」先生です。
作品名「僕と君の大切な話」
この先生は、プロの中でも掛け合いが抜群に上手く、コメディ要素と恋愛要素のバランスも素晴らしいので、るり様にも是非読んで参考にして頂ければよろしいかと思います^^
今回の作品は完結している作品となりますので、
今後はるり様の武器であるその掛け合いをいかした今回の作品「Christmas of Life」のようなラストでほっこりするような恋愛コメディなども描いてみてはどうでしょうか。
個人的に読んで見たいという思いがあります^^
最後に。
完成原稿でなくても、るり様が深く構想を練っている大切な作品などがあればまたネームでもいいのでご依頼頂ければ全力でアドバイスさせて頂きたく思います。
これからも頑張ってそして楽しんでマンガを描いてくださいね^^!
ウツミ コウスケ